日本軽金属株式会社

ニュースリリース

2010年 社長年頭挨拶

平成22年1月4日
日本軽金属株式会社

社長年頭挨拶(要約)
 

 ご安全に。
 皆さん明けましておめでとうございます。大変厳しい経済状況の中を過ごしてきた1年が終わりました。


 平成20年下期に急激に悪化した世界の実体経済は21年1、2月に底を打ち、徐々にではありますが回復を続けています。わが国の経済も同様な傾向を見せており、当社の業績も7~9月決算では連結経常黒字を達成することができました。しかしながら、一部の国を除いて本格的な景気回復の兆しは見えず、まだまだ予断を許さない状況が続いています。私達はこのような環境の中で生き残りをかけ、「売りに合った構えを作ろう」という合言葉のもと、固定費の圧縮、残業や経費の削減、棚卸資産回転率の向上に取り組んできました。これらの対策にご理解をいただくことができ、皆さんのご協力ご努力には大変感謝しております。


 平成19年度からの現中期計画は今年3月に終了しますが、現中期計画に掲げた実施項目のうち、一番大きな課題でありました建材事業の構造改革については、新日軽を住生活グループへ譲渡することで基本合意に達しました。海外展開および成長分野への展開としては、中国において東洋アルミがペーストおよび太陽電池用バックシートの新会社設立と工場建設を行い、日軽金アクトが中国第2拠点を上海に設立しました。また、日軽エムシーアルミが発足し、中国、タイ、米国の拠点ができました。さらに、基盤ビジネス分野の収益力強化としては、箔事業において東洋アルミによる東海アルミ箔との一体運営を実現、化成品事業においてボーキサイトから水酸化アルミへの原料転換を決定しました。また、素材技術の充実に関しては鋳造開発センターを開設し、新しい鋳造方法開発への取り組みを強化しました。これらの施策は全て今後の日軽金グループの経営の基礎を形成するものとして実施してきたものです。


 今年は次なる3ヵ年中期計画を策定し、新日軽が抜けた後の日軽金グループの形をしっかりと作っていきます。ターゲットとする事業分野の1つ目はやはり自動車です。ここは既に大きな変革の波が押し寄せていますが、今後も「CO2削減」をキーとして想像もできないような変化をしていくと思われます。その中においてアルミを核とする我々には大きなチャンスが巡ってきています。2つ目は電機・電子、情報通信の分野です。機器の性能アップ、データーセンターの発展およびこれら機器、設備の省エネルギー化のための技術革新等が進んでいきます。その中で我々も既に色々な会社と共同開発を進めています。3つ目はエネルギー分野です。電池3兄弟と言われる太陽電池、蓄電池、燃料電池に関しては、日軽金グループでも既に世界の先頭を走っている分野もあります。その他の強みのある分野でも熱心な研究開発が進められています。4つ目は輸送の分野です。新幹線用アルミ大型形材では日軽金アクトが国内トップの実績を上げるようになりました。また、トラック架装事業では日本フルハーフが国内トップの地位を保っています。これらもやはり省エネルギー型の輸送手段として広く国内外に展開されていくものと考えています。これらの分野は我々が国内において強いビジネスモデルを保有しているもので、海外においてもその地域のニーズにマッチできるものであれば、そこへ進出しても必ず成功すると信じています。したがって今後は、より一層積極的に海外展開を図り、そのための人財育成にも力を入れていきます。


 日軽金グループの使命である「アルミとアルミ関連素材の用途開発を永遠に続けることによって人々の暮らしの向上に貢献していく」ことを心に刻み、全員が自分の仕事に責任と誇りを持ち、伸び伸びと力を発揮できる会社を作るよう、どんなに大変なときでも明るく元気に前向きに進んでいきましょう。


 最後になりましたが、皆さんと皆さんのご家族のご健康を祈念いたしまして、私の新年のご挨拶とさせていただきます。
 

以 上

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