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高純度アルミ製造法

電解製錬

アルミニウムの製造法として工業的なものは、バイヤー法と、ホール・エルー法の組み合わせによる方法です。バイヤー法ではボーキサイト中のアルミナ分を苛性ソーダに溶解・抽出することでアルミナを、ホール・エルー法でアルミナを電解浴に溶かし込み電気分解することでアルミニウムを得ています。この方法を一次電解製錬と呼び、得られるアルミニウムの純度は99.7%~99.98%程度です。アルミナの融点は2000℃強ですが、ホール・エルー法における操業温度は約1000℃と融点以下の温度です。この方法を可能にしたのは電気分解に用いられる電解浴で約120年前にホール氏とエルー氏によりほぼ同時に発見されました。この浴は水が砂糖を溶かすようにアルミナを溶かし込むことが出来る為、2000℃強という高温から1000℃まで操業温度を下げることが可能となり、一気に工業化が進行しました。

電解製錬炉

精製(高純度化プロセス)

更に高純度のアルミニウムを得る為には、工業的には2種類の方法が用いられます。一つは三層電解法、一つは分別結晶法です。

三層電解法

三層電解法は前述のホール・エルー法に類似の方法で、電力を用いています。Cuを含む合金層に原料となる一次電解アルミニウムを挿入し、電気を流すことでアルミニウムのみが陰極側に集まります。この方法によって得られるアルミニウムの純度は99.98%~99.998%程度です。

三層電解法

分別結晶設備

分別結晶法は先のホール・エルー法、三層電解法とは異なるメカニズムで精製が行われています。先の二つの方法が電気化学的手法を用いていたのとは違い、分別結晶法では熱力学的な方法により、高い純度のアルミニウムを得ています。分別結晶法では原料となる一次電解アルミニウムを溶解し、これを局部的に冷却すると、純度の高いアルミニウムが初晶として晶出するという原理を用いています。溶解した一次電解アルミニウムを局部的に冷却し、それによって晶出する初晶を分取します。この方法によって得られるアルミニウムの純度は99.98~99.996%程度です。

分別結晶設備

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